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エクセレンスへの道は、いますぐ、エクセレンスではないことをすべてやめることだ。

−−トム・ワトソン

何をやるのか決めるのは簡単。何をやらないのかを決めるのが難しい。

−−マイケル・デル

 
 
人間は誰しも限られた時間の中で生きている。
仕事に忙殺され、自分を見失うこともあるだろう。
そんなときに考えなければならないのは、重要度が低いことを捨て去ることだ。
自分にとって何が重要なのか、自分にしかできないことは何か。
会社が今なすべきことは何か、仕事をいたずらに忙しくし、行く手を阻む障害は何か。
時には振り返ることも必要である。
1980年代後半から、プリンター業界には大きな変化が訪れていた。
 
それはインパクトプリンターからノンインパクトプリンターへの移行である。
 
インクリボンを使うワイヤドットインパクトプリンターはとにかく音がうるさかった。
ジージー、ジージーと音を立てて、オフィスではとても耳ざわりなものだった。
また、印字が遅く、きれいでもなかった。
 
音がうるさいのは、熱転写式プリンターが一旦解決させたかに見えたが、熱転写式は印字が遅すぎてオフィスでは使い物にならなかった。
 
そこで頭角を現してきたのがトナーカートリッジを使う、レーザープリンターである。
(別名、LBP、レーザービームプリンター、ノンインパクトプリンター、NIP、電子写真式とも呼ぶ)
 
レーザープリンターは、静かで・印字が速く・きれいだ。
ところが当初はプリンター本体の価格が高すぎで、普及しなかった。
しかし、キャノンがLBP-B406シリーズを20万円台で発売してから様子が変わった。
企業が導入するのに手ごろな価格になったのである。
そして、LBP-B406シリーズの登場を皮切りにして、一気にレーザープリンターの普及が加速しだした。
 
インクリボン全盛時代、インクリボンがわが世の春を謳歌する中、トナーには大きなビジネスチャンスがあると私は確信した。
エコリカリサイクルインク販売数量シェアが7.64%と発表されました!
 
これもひとえに使用済みカートリッジの再利用に賛同いただき、カートリッジの回収と再利用をしていただいているユーザーの皆様と、回収ボックス設置・カートリッジ回収作業およびエコリカリサイクルインクの販売に尽力していただいている販売店の皆様のおかげと深く感謝しております。
ここに改めて御礼申し上げます。
 
インクカートリッジ(純正・互換・詰め替え用含む)ベンダー別販売シェア
リサイクルインク・エコリカのシェア

対象期間:2007年03月19日〜2007年03月25日

設立当初から一応ではあるが、コンピュータで販売・仕入・在庫の管理を始めた。
 
導入したのは、PCA社の商魂・商管というパッケージソフトだった。
パソコンはNEC PC9801を一台買ってワイヤドットインパクトプリンターを一台つないだ。
それでも当時の零細企業としてはかなり思い切ったシステム投資だったと思う。
 
当初からパソコンを導入して良かったことは、
○多品種のインクリボンの在庫管理がかなり正確にできたこと
○お客様からの在庫問い合わせに対して、コンピュータ検索で倉庫の実在庫が即答できたこと。
 (但しきちんと伝票入力していない場合は在庫が合わなかったが)
○お客様への納品書・請求書発行が省力化できたこと
○仕入先への発注管理、支払管理が正確にできたこと
○結果「仕入先には絶対に遅れず支払いを正確に行う」ことが実現でき、企業としての信用を得られたこと
などだ。
 
しかし反面、問題点もあった。
それは見積管理がパッケージソフトの機能に入っていなかったことだ。
営業方針としてお客様の要望には何でも応えていたので、見積書の枚数が日に日に増えていった。
それと同時に仕入先からの見積書もどんどん増えていった。
取引が多い得意先になると、発行した見積書が数百枚になった。
仕入先からの見積書は多いところで千枚を超えた。
これらが全部手書き発行で、かつ紙ベースでファイリングするしかなかった。
 
そうするとどんなことが起こるか。
 
元来取扱商品の単価があまり高くないので、注文が来てもそんなに利益があるものではない。
またプリンター消耗品の販売なので、見積もってから半年経ってやっとインクリボンが薄くなって注文が来たりする。
そうなると、お客様から注文が来たときに「さていくらで見積もったのかな?」と見積書のファイルを延々と探すことになる。
1時間以上探してやっと販売単価がわかったりする。
ところがこれだけでは済まない。
次はこの商品の仕入先を思い出さなければならない。
またさらに1時間以上探してやっと仕入先と仕入単価がわかり、やっと注文ができる。
だが、それだけ労力をかけても利益は数百円しかない・・・
 
こんなことを毎日のように繰り返していた。
こんなに手間がかかるのではやってられない。
業務に忙殺されて早晩行き詰るのは目に見えていた。
私は見積管理のコンピュータ化の必要性を痛切に感じた。
 
このことがその後の大きなシステム投資と、それに続く3つ目のEであるE-business(電子商取引の推進)へとつながっていく。
靴がないとしょげていた。
両足がもがれたその人に
通りで出会うその前は。

−−ハロルド・アボット

 
 
あらゆる出来事のもっとも良い面に目を向ける習慣は、
年間一千ポンドの所得よりも価値がある。

−−サミュエル・ジョンソン

 
 
やっかいなことを気にしていたらきりがない。
文句や小言ばかり言っていても解決にならない。
否定的な考えから脱してポジティブシンキングを心がけると、いろいろなことが解決しはじめるものである。
二番目のおすすめは「新宿御苑」
ソメイヨシノが開花したようです!
 
宴会が厳しく規制されている千鳥ヶ淵とは違って、新宿御苑は宴会ができます。
入園料(大人200円)さえ払えば、広大な敷地の中でどんなに大人数でも、どんなに大きな敷物でも絶対にOK。
それも枝ぶりがりっぱで、地面すれすれまで咲きほこる桜の下で宴会ができます。
 
個人的に気に入っているのは、桃色というよりは真っ赤な花が咲く「カンヒザクラ」です。

新宿御苑サクラカレンダー

花粉症がひどいのでこの時期は鼻はじゅくじゅく、目はかゆく、のどもイガイガなのですが、花見だけは別腹ならぬ別バナ。
厳重にマスクをして、毎年東京の桜名所を巡っております。

全国で最も早く東京で桜の開花宣言があったというので、私が好きな東京の桜名所をご紹介します。


一番のおすすめは「千鳥ヶ淵」

同年代の人はここに来ると必ず、サンプラザ中野が歌う爆風スランプの『大きな玉ねぎの下で』を歌ってしまうのではないでしょうか。 

 ♪千鳥ヶ淵 月の水面 振り向けば〜

千鳥ヶ淵の桜の魅力は、なんといってもお濠の斜面に咲くみごとな桜ですね。

千鳥ヶ淵地図

 この地図のピンク色↑↑にした部分に、お濠に向かってしなだりかかる荘厳な桜が見られます。

昼間の桜もすばらしいですが、例年夜10時までライトアップされた、実にみごとな夜桜が見物できます。

さらにボート乗り場からボートに乗ってお濠を漕ぎ出て、斜面の桜を間近で見るとそれはもう、圧巻の一言。
舞い散る桜が水面に落ちる、その中を煌びやかに、かつ厳粛な思いで楽しむことができます。
但し、休日にボートに乗る場合は2時間待ちを覚悟してください。

(交通)
 地下鉄九段下駅から7分くらいで千鳥ヶ淵入り口にたどり着きます。
 満開の時は超混雑しますのでご注意を。

エコリカは2004年秋から、今のパートナーであるエステー産業に製造委託先を移した。

エステー産業はさすがだった。
ものづくりの歴史が違った。

エステー産業は、インクロールの製造からスタートし、インクリボン、LBPユニット、トナーカートリッジリサイクルを経て、1993年から汎用インクカートリッジを製造している国内オンリーワン企業であった。
30年以上に渡るプリンター関連技術の蓄積は大きかった。

ユーザーが自宅でインクを詰め替える場合は、インク漏れや印字不良などの問題があっても自己責任なので問題にはならない。
しかし、エコリカは商品を店頭で販売するので、たとえリサイクル商品であっても長期間にわたって品質を維持しなければならない。
もちろんインク漏れがあってはならないし、印字不良が発生してはならない。
単にインクを注入するだけでは解決できない、様々な難問を技術でカバーしていく必要がある。

また、エステー産業は過去にエプソンから訴えられて、事実上勝訴を勝ち取った経験もあった。
どんな製品でも知的財産権保護の観点を欠かせてはならないことは当たり前なのだが、特にインクカートリッジ分野については純正メーカーがインクカートリッジをドル箱として位置づけており、その独占的利益を確保するため、ありとあらゆる方法で攻撃してくることが予想された。
だからインクカートリッジはリサイクルをする上で、メーカーの持つ特許を研究し、それら特許に触れない再利用の方法を確立する必要がある。
そういった面で、知財戦略においてもエステー産業には一日の長があった。

綿密な議論を重ねた上で、エコリカはエステー産業に製造を一括して委託することになった。
そして設立以来の悲願であった、品質問題の解決が実現したのである。

ジットが持っていたエコリカの株式も、エムエスシー、スリーイーグループ、取締役の杉浦先生が買い取り、エコリカは新たな体制となった。

品質問題を克服したエコリカは、その後急速に市場シェアを伸ばし、発展していくこととなる。

 リサイクルインク・エコリカ新着情報

エコリカの使命は、純正インクカートリッジしか知らない人たちが圧倒的に多い世の中に、リサイクルインクの存在をありとあらゆる方法で知らせて普及に努め、人と地球に貢献することにあった。
 
エコリカが普及すると使用済みカートリッジの再利用が増え、資源循環型社会の実現に一歩近づく。
だからエコリカの普及のためには、エコリカを知ったユーザーがエコリカの品質を認めてくれてリピートユーザーになっていただく必要があった。
つまり品質が悪くてはお話にならないのだ。
しかし、エコリカ設立当初は製品の品質があまりよくなかった。
 
我々には社会的使命がある。どうしても品質を改善しなければならない・・・
メーカー純正品は、仮に品質が悪くてもメーカー指定品なのでお客様からそっぽを向かれることはないだろう。
だが、エコリカはサードパーティー品である。
一度お客様に嫌われたら、信頼を取り戻すのは相当難しい。
エコリカが良くないと思ったユーザーは、二度とエコリカを買ってくれないのだ。
 
品質問題の解決は難航した。
いろいろ努力したが、当時のエコリカの体制では品質問題を解決できないという結論になり、設立当初製造を依頼していた株式会社ジットと別れることになった。
2004年秋のことである。
充実した人生を送る秘訣は、仕事を持つこと、心血を注げる「なにか」をもつことだ。
そして、いちばん大切なのは、その「なにか」とは、自分にはできそうもないことでなければならない。

−−ヘンリー・ムーア

 
毎日、かならずひとつ
すごいことをやれ
それができない日は
すごいことができるように死力を尽くせ

−−読み人しらず

 
駆け出しの営業マンだったころ、上司がこう言っていた。
「今日はこの訪問で最後だと思ったら、それからもう一軒訪問しろ」
 
会社に就職してすぐにはそんなに販売実績が上がるわけもなく、全く売れない日が何日も続いた。
天性の営業力ってものがあれば苦労しないのだが、大多数の人にはそんなものは備わっていない。
そうすると、とにかく努力するしかない。
別に他人と競争したいわけではなかったが、人並みの努力ではいけないと思った。
 
営業に王道があるとしたらそれは、他人よりも「プラスα」の努力を積み重ねること、顧客を感動させる「生きざま」を身につけること、そして営業マンとしてその業界や会社、あるいは地域における存在価値を高めていくこと、それしかないのではないか。
ヨドバシカメラがエコリカの導入に踏み切ったことで、世の中が変わった。
 
インクカートリッジは、トナーカートリッジとは違って一般消費者向け商品に位置づけられ、家電量販店がその大部分を販売している。
通常、家電量販店は売り上げのかなりの部分を家電製品やパソコン、周辺機器に依存しているので、それらのメーカーがいやがることはやりにくい。
エコリカを販売することは大変いいことだし、地球環境にも貢献できてお客様も喜ぶのはわかってはいるが、キャノン・エプソンなどのメーカーの手前、当初はなかなかエコリカの導入を決断できる家電量販店は少なかった。
 
そんな中で、ヨドバシカメラはさすがだった。
エコリカの趣旨に全面的に賛同してくれて、真っ先にエコリカ回収ボックスを全店の店頭に大量に設置してくれた。
そして一気に全店のインクカートリッジコーナーに大々的にエコリカを陳列してくれた。
メーカーの意向を尊重しながらも、消費者のためにやるべきことは決断し実行する・・・
その姿は全く正当であり、実に勇敢で、エコリカにとって大変にありがたいものだった。
 
ヨドバシカメラの家電量販業界における存在感は大きく、バイヤーさん達は定期的にヨドバシカメラの店頭を訪れている。
そしてヨドバシカメラの店頭でエコリカが大々的に陳列されている事実に衝撃を受けた他の家電量販店のバイヤーさん達は、次々に自社の店頭へのエコリカ導入に踏み切った。
 
エコリカの普及に弾みをつけたのは、ヨドバシカメラだといっても過言ではない。
エコリカの製品パッケージは「ジッパー袋」タイプにした。
エコリカのジッパー袋
なぜエコリカは袋入りにしたのか。
なぜ一般的な紙箱入りにしなかったのか。
 
理由はこうだ。
 
【1】ジッパー袋で廃棄物を回収
 
インクカートリッジのリサイクルを普及させるには、まず空カートリッジの回収が必要だ。
回収方法としては、ユーザーに空カートリッジを店頭の回収ボックスまで運んでいただくわけだが、運んでいる途中でユーザーの鞄や服が汚れるようではいけない。
インクの付着を防止するために何か防御策が必要だった。
 
また、空カートリッジはただ回収するだけではだめで、エコリカが製品として蘇らせる必要がある。
カートリッジが壊れて届いてはいけないのだ。
だから回収時のカートリッジへの衝撃防止対策が必要だ。
 
エコリカはこれらの課題を解決させるために、製品のパッケージ自体をジッパー袋にして、空カートリッジ入れとしても代用できるようにしたのだ。
 
【2】環境包装
 
昨今環境にやさしい包装が求められる中、エコリカは徹底的に包装を簡略化した。
製品に対する衝撃吸収を図る必要がある中で、許される限りの簡略包装を考え袋入りの包装とした。
 
さらに、ユーザーがエコリカの袋に空カートリッジを入れてエコリカ回収ボックスまで運んでいただき資源再利用に協力していただけると、自然にエコリカの製品袋も回収できることになり、袋自体の再資源化も図れるわけだ。
 
【3】外からの視認性
 
インクカートリッジをリサイクルしてユーザーに購入してもらう取り組みは、全く新しいものであった。
ユーザーはリサイクル品を全く認知していない状態だったわけだ。
 
リサイクル品って大丈夫だろうか?
いい加減な商品じゃないのか?
ユーザーにこんな疑問が湧いても不思議ではない。
 
そこでエコリカは、ユーザーに安心感を与えるために商品を透明な袋に入れた。
そうすることによって、ユーザーはいつも使っているインクカートリッジとなんら変わらない商品であることを一目で判断できる。
 
初めての商品には心理的な抵抗感が強いものだ。
エコリカがいくら環境にやさしい商品だと理解できても、ユーザーが一歩踏み出し、商品を手に取っていただくためには、ユーザーの心理的抵抗感を和らげる必要があると考えたのだ。
 
【4】エコリカの存在感のアピール
 
家電量販店などのインクカートリッジコーナーでは、当然ながらキャノン・エプソンの大きなコーナーがある。
また当初お客様は、インクカートリッジを買うにはメーカー純正品しか選択できないと思い込んでいる。
そんな中で、どのようにリサイクルインクを店頭でアピールするのか。
どのようにして、お客様の認知度を上げるのか。
 
エコリカは袋入りの包装でデザインが緑色だ。
なぜそのようにしているかといえば、店頭のインクカートリッジが紙箱入りのものばかりの中で、一風変わったエコリカの緑の袋でエコリカの存在感をアピールするためでもある。
 
エコリカ、それは常に一歩先を歩み、道なき道を切り拓いていく。
設立の1990年当時は、日本経済がバブル絶頂の時代だった。
 
株や土地は際限なく値上がりし続けていた。
また事務所を借りるのが非常に難しい時代だった。
空室がほとんどないし、空いていても賃料がべらぼうに高騰していた。
 
設立当初はコストは極限まで切り詰めなければならない。
私は、知り合いの実家(木造モルタル)の1階が空いているというのでそこを借りることにした。
場所は東京都台東区東上野、上野駅から徒歩15分浅草方面に歩いた、かっぱ橋道具街に近い場所だった。
 
借りた事務所は昔、小豆屋さんをやっていたらしくネズミが多くて困った。
在庫のインクリボンはよくネズミにかじられた。
あいつら何でも食うらしい。
 
会社が軌道に乗るまでは家に帰らないことも多かった。
会社で寝るときは床にダンボールを敷いて寝たのだが、口を開けて寝ていたらネズミが口の中に入ってきて飛び起きたこともあった。
 
その事務所は通り沿いの1階にあり、周辺に比べると低い場所にあった。
一度東京が豪雨に見舞われたときには、50センチくらい浸水の被害にあった。
その時は、なけなしの資金で在庫しているインクリボンが濡れて台無しにならないように、必死になって高いところに移動させた。
 
とにかく早く会社を軌道に乗せて、もっとまともな事務所に移転したいと思い、昼も夜もなく脇目もふらず働いた。
設立時、当社は株式会社オフィックスという名前だったが、最初はこの名前をとても気に入っていた。
 
OFFIX
OFFICEになにか(X)をもたらし、新しい挑戦をします・・・
当時オリエントリースがオリックスに変わり、伊那製陶がイナックスに変わったりして、○○ックスという社名がはやっていたこともあってオフィックスという名前に決めた。
 
offixとfが二つあったので、当時はハウンドドッグのff(フォルテシモ)を社歌だと称して、よく社員とカラオケでコブシを突き上げながら歌ったものだ。
 
さて設立間もないある日、ショッキングなことが起こった。
営業活動で東京駅付近を車で走っていたときのことだ。
前をみると「オフィックス」と書いてあるワゴン車が走っているではないか!
 
やってしまった!
調べてみると、虎ノ門にオフィックス株式会社という会社があるではないか。
あちらは松本文具という名前からオフィックスに社名変更したばかりだという。
 
これにはさすがに参った。
今ならインターネットで社名などは簡単に検索できるが、当時はこんな簡単なことが調べられなかった。
そのあとも、大森にもう一社別の「オフィックス」という文具を扱う会社が見つかった。
なんと東京に「オフィックス」が3社もあったのだ。
 
当社はインクリボン・トナーの販売会社だが、あとの2社は文具業界で、ほぼ同業だったので気にしないというわけにはいかなかった。
社名が同じだとやはりいろいろトラブルが起こった。
お客さんがまちがえて代金の振り込みをしてきたり、既存取引先と社名が同じだからという理由でお客さんから取引を断られたり、やはり同じ社名は都合が悪かった。
 
迷ったが、その後やはり社名を変更せざるを得なくなった。
大阪プラント販売での仕事に満足していた私は、しばらく独立のことは忘れていた。
 
ある日、大学時代の友達で証券会社に勤めている友達に会った。
その友達の周囲は外資系証券に転職した人などが多く、私の周辺とは別世界だった。
井の中の蛙状態だった私の目を覚ましてくれたのは彼だった。
 
彼は私に言った。
「そんなにインクリボンが売れるんだったら、独立したらどうだ。」
 
彼は仕事柄、事業のコンサルティングを得意としており、私の独立後の資金計画を綿密に計算してくれた。
結果を聞くと、なんと設立資金として2000万円が必要だという。
会社設立時にはインクリボンの在庫資金が必要で、かつお客様からの代金回収のサイトを考えると、どう見積もっても2000万円が必要とのことだった。
私は独立のために、6畳風呂無し共同トイレの家賃3万円のおんぼろアパートに住んだりしてこつこつと貯金してはいたが、残念ながら必要資金の半分の1000万円しか貯まっていなかった。
 
愕然とした。
独立資金が足りなければしかたがないか・・・
一旦は独立をあきらめかけたが、私のもとに突然に、かつ偶然に、天使が舞い降りた。
 
なんとその証券会社の友達が資金提供者(エンジェル)を紹介してくれるというのだ。
私の友達は企業部に属しており、様々な会社を上場に導く仕事をしていたのだが、その顧客の中から資金提供者として上場会社の社長を紹介してくれたのだ。
 
彼が紹介してくれたエンジェルは熱心に私の話を聞いてくれた。
私はインクリボンビジネスの魅力と、ユーザーが選択の余地がないことによって大きな不利益を蒙っていること、メーカーの謀略とその非合理性、またそれらインクリボンにまつわる根深い問題点を解決することがいかに社会的意味合いを持つかを全身全霊を込めて説明した。
またトナーカートリッジ市場が将来大きく拡大する可能性があることについても強く訴えた。
 
そして、ついにOKが出た。
エンジェルが1000万を出資してくれることになったのだ。
これで資本金2000万が準備できる。
就職してからはや8年が経過、私の年齢も三十に到達していたが『三十にして立つ』ことができた。
念願の独立開業が実現に向けて進みだした。
 
それから数十日後の1990年12月1日、スリーイーグループの前身である株式会社オフィックスは、東京都台東区東上野でその産声をあげた。

エコリカ設立当初の第一の課題は、使用済みインクカートリッジ回収をどうやって行うかだった。

インクカートリッジをリサイクルし、資源循環型社会の実現に貢献するには、まず空のインクカートリッジを集めなければならない。
弁当屋さんをやるには、ごはんとおかずだけではダメで、入れ物である弁当箱が必要だが、インクにはもちろんカートリッジという入れ物が必要で、エコリカはそれを再利用するわけだから、回収業務は何よりも重要である。
使い捨てられ、浪費されていく資源をどのように我々の手で回収するか。
どのように資源再利用を一般消費者に訴えていくか。
悩みに悩んだ。

スリーイーグループはリサイクルトナーの分野では16年の歴史を持っているが、以前書いたように、トナーカートリッジは定価が1本20,000円〜50,000円で、1本単位で使用済みカートリッジを回収しても流通コストが吸収できる商品だ。
それに対して、インクカートリッジの定価は1本1,000円〜2,000円で、個別の回収ではとてもカートリッジ回収コストが吸収できそうになかった。
回収コストが高いという点においても、インクカートリッジ回収は困難が予想された。
これらをどうやって克服するか。

我々は資本金の大半を空カートリッジ回収のための先行投資に回すことを決断した。

エコリカの回収ボックス
エコリカ回収ボックス

家電量販店店頭のエコリカ回収ボックス


家電量販店やカメラ量販店にエコリカ回収ボックスの設置をお願いすることにしたのだ。
最初の頃はこの回収ボックスの制作費用がかかりすぎたが、その後量産効果も出てきて回収ボックスのコストが下がっていった。
そして、エコリカの回収ボックスは全国津々浦々のショップに設置が進んだ。
“リサイクルによるエコロジーへの協力”という点でも小売店のイメージアップ効果もあり、エコリカの趣旨に賛同していただけるエコリカ回収ボックス設置店舗がどんどん増えていった。

それまでは、キャノンやエプソンの回収ボックスで使用済みインクカートリッジが回収されたとしても、再利用はされていなかった。
エコリカの回収ボックスにより、やっと資源再利用の道が開かれたのだ。

エコリカ回収ボックスの大量設置により、インクカートリッジの【回収→再生→販売→また回収】の資源循環サイクルが実現し、インクカートリッジのリサイクルは普及に向けてまた一歩近づいた。

エコリカの社会貢献をわかりやすい形で実現する方法はないものか・・・

スリーイーグループは平成13年10月に国際環境規格ISO14001を全社で認証取得したが、その過程で世界最大の自然保護団体であるWWFへの寄付活動を始めていた関係で、エコリカにWWFへの貢献を提案した。

WWFは1961年にアフリカの野生生物を危機から救うために、自然保護のための資金を集める国際組織としてスイスに設立されたNGO(非政府組織)である。
WWFは各国の環境保護団体と連携しながら、「野生動物保護」「森林保護」そして「地球温暖化対策」の活動を行っている。

エコリカはインクカートリッジのリユース・リサイクルの普及を推進するとともに、確固たる社会貢献をしたいと強く望んでいた。
WWFは、その社会性から見ても活動内容から見ても、エコリカが支持し、寄付を行うのに申し分のないNGOであった。

そしてエコリカは、WWFの趣旨に賛同した上で、自分たちの活動がインクカートリッジの分野にどどまらず、広く世界に役立てていこうとの思いから、設立当初からWWFへの寄付を開始した。
再利用されたリサイクルインク・リサイクルトナーについて、WWFの活動資金としてエコリカ製品の販売1個につき1円を寄付するというものだ。

この寄付活動はエコリカ設立以来継続して実施されており、当初の寄付額は多くはなかったが、その後のエコリカの普及により、今ではかなりの額の寄付が行われている。

『小さいことからはじめよう』

宗廣社長と私が二人で思い立ったインクカートリッジリサイクルの活動は、ごく小さな一歩から始まったが、今では大きな、そして確かなムーブメントになりつつある。


  21世紀は環境の世紀と呼ばれています。
 
  環境破壊・資源浪費を繰り返しながら築き上げた20世紀の人類の繁栄は、すでに取り返すことができないレベルの負の遺産を残してしまいました。
  地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、熱帯雨林の伐採、野生生物の減少、人口爆発、不法投棄、土壌汚染、化学物質汚染、水質汚染、大気汚染、資源枯渇・・・・これらの負の遺産に対して我々は決して目をそらしてはいけません。走りつづけ、結果、今過去を振り返り、決して繰り返してはならないものを我々は強く認識しなければなりません。
 
  エコリカは、エコロジー&エコノミー・リサイクル・カンパニーです。コンピュータ消耗品のエキスパートが集い、「人と地球に貢献します」を合言葉にエコリカを設立しました。
  便利なインクジェットプリンターも、ひとたびインクカートリッジの交換となると大変なお金がかかります。・・・何とかカートリッジ代を安くする方法はないのだろうか?・・・誰しも思うことでしょう。
  また、使用済みのカートリッジを廃棄すると、資源の浪費・廃棄物による環境破壊にもつながります。・・・何とかカートリッジを捨てない方法はないものだろうか?・・・誰しも思うことでしょう。
 
  エコリカは、人に貢献します。インクカートリッジの使用済みを回収し、それをリサイクルした商品を安価で提供します。そして、プリンターを使う「人」が少しでも安いコストで印刷ができるようにお手伝いします。
 
  また、エコリカは地球に貢献します。資源浪費・環境破壊につながる使用済みカートリッジを積極的に回収し再利用に供することで、我々の地球を責任を持って次の世代に残していくお手伝いをします。
 
  人類の持続的な繁栄は、これからの環境対策にかかっています。そのためには、ひとりひとりの個人が環境を意識し、いかに環境に貢献できるかを考え、行動することが必要です。
  エコリカは、エコリカ自身の環境活動と共に、プリンターユーザーへの環境意識の啓蒙・浸透をもあわせてその経営理念とし、さらに今後環境貢献型商品の開発を通して、社会に貢献することを強く目指します。
エコリカの活動は社会に対するメッセージの発信であり、社会貢献なんだ。
我々は、インクカートリッジのリサイクルの普及という大きな希望を持つと同時に、社会的使命を強く感じていた。
 
カートリッジを使い捨てにするのは大変便利かもしれないが、果たしてそれでいいのか?
プリンターメーカーは使い捨て商品を大量に作って大儲けをしているが、果たしてそれでいいのか?
 
使用済みのインクカートリッジは回収をすべきではないのか?
カートリッジは再利用すべきではないのか?
ユーザーはインクカートリッジをもっと安く買ってもいいのではないのか?
 
これらの私たちの思いを、ひとつの言葉にしよう。
わかりやすく、かつ深く心に刻むことができる言葉をつくろう。
そして、エコリカのメッセージ『人と地球に貢献します。』が出来上がった。
エコリカロゴ
インクカートリッジをもっと安く買えるようにすることで人に貢献し、インクカートリッジの回収と再利用で地球環境に貢献する。
 
これはエコリカのスローガンでもあり、キャッチフレーズにもなった。
早速、リサイクルインクの新会社の名前とマークを決めることになった。
 
設立当時から、この新会社は将来、社会的にとても重要な意味を持つことになると思った。
だから新会社には、リサイクルインクのブランドとして世の中に強いメッセージを発信し、末永く価値を持ち続ける名前とマークが必要だった。
 
名前についてはいろいろな案が出たが、最終的にエコロジー・エコノミー・サイクル・ンパニーの頭をとって『エコリカ』に決まった。
ecology economy recycle company ⇒ecorica だ。
いい名前だ。
なかなかかわいらしい名前なので、エコちゃん、リカちゃん人形を出したいという話にもなったが、さすがにこれは実現しないでいる。
あたり前だが。
 
エコリカのマークは、プランニングロケッツの松原さんが考えてくれた。
カートリッジの再生と、地球環境貢献の両方のイメージがあるいいマークができないか・・・
マークの色は環境ブランドなのでやっぱり緑だね・・・
そして、カートリッジから木の葉が生えている緑色のこのマークが誕生した。
エコリカマーク
平成15年7月1日、エコリカはスリーイーグループとエムエスシーとジットの三社で、1000万円ずつ資本金を出し合ってスタートした。
 
エムエスシーは家電量販店に対するパソコン周辺機器卸ビジネスのノウハウを提供し、
スリーイーグループはカートリッジリサイクルのノウハウ、使用済みカートリッジ回収と物流のノウハウを提供し、ジットは製造を担当し、
エコリカ設立当初の三社体制はスタートした。
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