就職したCSK機器販売事業部のオリエンテーションは、所属の各部門がそれぞれの事業の紹介をするというものだった。
大学時代にパイトをしていたPCショップ部門の紹介、PC外販部門の紹介、半導体販売部門の紹介などがあった。
私はバイトをしていた流れからPCショップに配属されそうな雲行きだったが、営業職を希望していたのでショップ店員にはなりたくなかった。
一つの部門である「サプライセンター」の紹介が始まった。
サプライとはコンピュータの消耗品のことらしい。
その中でもプリンターの消耗品であるインクリボンが有望だという。
今はコンピュータは家庭にも普及し、一人一台の時代だが、当時コンピュータはメインフレーム(大型コンピュータ)全盛時代で、そこそこの大企業でないと買えないものだった。
同時にプリンターも高額商品で、その消耗品であるインクリボンも高価なものだった。
また、コンピュータを操作する人も限られていて、ごく一部の専門家しか操作することはできず、変な使い方をしてコンピュータを壊すわけにもいかないので、皆IBMやNEC,富士通などのコンピュータメーカーの言う通りに取り扱っていた。
つまり、ユーザーはコンピュータメーカーの言いなりになっていた。