2007-03-02
以前にも書いたが、インクリボンはプリンターによって指定のものしか使えない。
カートリッジの形が合わないとプリンターに装着できないのだ。
さらにメーカーは、プリンターを出すたびにカートリッジの形を変えてくる。
我々のようなサードパーティーが、非純正品(汎用品)をユーザーに提供し、ユーザーに救いの手を差し伸べるのだが、純正メーカーは新しいプリンターには新しいカートリッジでという作戦で徹底的に純正品を使わせようとする。
新しいインクリボンが登場したら、我々はすみやかに汎用品を出す。
するとメーカーは、また新しい形のインクリボンを作る。
いつまで経っても終わらぬいたちごっこだ。
インクリボンの種類は増え続け、ユーザーはさらに困惑していた。
膨大な数のプリンターに対し、膨大な数のインクリボンが存在していた。
同じ形のインクリボンでも、プリンターメーカー各社が別々の名前をつけたりして、ユーザーはどの汎用インクリボンを買えば経費節減ができるのか、複雑すぎて簡単にはわからない状況になっていた。
どのプリンターがどのインクリボンを使うかがわかりやすくならないと、結局ユーザーは面倒なのでついつい純正品を買ってしまう。
これではいけない。
そこで当時の私が開発したのが、インクリボン検索システムである。
膨大な量のプリンターとインクリボンの互換情報をデータベース化し、プリンター機種名を入力すればどのインクリボンを使うかがパソコンで検索できるようにしたのだ。
同時にその互換情報を本にして販売店に配布した。
大手文具メーカーがインクリボンの互換情報を「検索台帳」という名前で配布していたので記憶にある方もいる思うが、実はその互換情報は私が作っていた。
当時は、朝から晩までは営業活動をしていて時間が限られていたので、同僚が帰宅して夜になってから、ひとり黙々とデータベースの構築作業を続けた。
何日も家に帰らない日が続いた。
昼間は営業活動、夜はデータベース構築作業で、いつも睡眠不足。
毎日、頭は朦朧としていた。
だが、このインクリボン検索システムを早く完成させないとユーザーが高いインクリボンを買うことになってしまう。
このシステムがないと、純正メーカーがインクリボンで膨大な利益を上げ、ユーザーが一方的に損をする状況が変えられない・・・
何度も挫折しそうになりながら、何ヶ月もかけて、ついにそのインクリボン検索システムは完成した。
そして多くのユーザーが、プリンターメーカーの陰謀から救われたはずだ。