2007-03-13
設立の1990年当時は、日本経済がバブル絶頂の時代だった。
株や土地は際限なく値上がりし続けていた。
また事務所を借りるのが非常に難しい時代だった。
空室がほとんどないし、空いていても賃料がべらぼうに高騰していた。
設立当初はコストは極限まで切り詰めなければならない。
私は、知り合いの実家(木造モルタル)の1階が空いているというのでそこを借りることにした。
場所は東京都台東区東上野、上野駅から徒歩15分浅草方面に歩いた、かっぱ橋道具街に近い場所だった。
借りた事務所は昔、小豆屋さんをやっていたらしくネズミが多くて困った。
在庫のインクリボンはよくネズミにかじられた。
あいつら何でも食うらしい。
会社が軌道に乗るまでは家に帰らないことも多かった。
会社で寝るときは床にダンボールを敷いて寝たのだが、口を開けて寝ていたらネズミが口の中に入ってきて飛び起きたこともあった。
その事務所は通り沿いの1階にあり、周辺に比べると低い場所にあった。
一度東京が豪雨に見舞われたときには、50センチくらい浸水の被害にあった。
その時は、なけなしの資金で在庫しているインクリボンが濡れて台無しにならないように、必死になって高いところに移動させた。
とにかく早く会社を軌道に乗せて、もっとまともな事務所に移転したいと思い、昼も夜もなく脇目もふらず働いた。