2007-05-17
 1971年に今の実家がある場所に引っ越した。
 それまでは林の中にある小さな長屋の家に暮らしていた。
  
 私が少年の頃の我が家はとても貧しく、ぎりぎりの生活をしていた。
 子供心に「ウチは貧乏なんだ」と認識して暮らしていたと思う。
 小学生の頃は、近所の友達がアイスクリームやチョコレートなどを買い食いしていても、私だけは指をくわえて見ていた。
 小遣いがなくて買えなかったのだ。
  
 チョコレートなんぞは高嶺の花だった。
 あまりにもチョコレートに対する憧れが強くて、お菓子の家の夢をよく見たものだ。
 いつかはチョコレートを腹いっぱい食べてみたいと本気で思っていた。
 今でもたまに気が狂ったようにチョコを食べてしまうのは、この貧乏な幼児体験のせいだと思う。
  
 また、両親が郵便局に勤めていたこともあって、無駄遣いせず貯金をするようにしつけられた。
 小学校1年生の時には、お年玉を合計で1700円、2年の時には1900円もらったのを覚えているが、1円も使わずに全部郵便局の定額貯金に預けて、それが満期になるまで10年間預けた。
 今から思えばあまりにも小さい金額で、貯蓄としての成果はほとんどなかったが、無駄遣いをせずに我慢する習慣が身についたと思う。
  
 サラリーマン時代にこつこつと貯金をして、独立資金1000万円を貯めることができたのも、両親のこうした教育のおかげだと思っている。
 