2007-06-28
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
−−稲盛 和夫
稲盛氏によればこういうことだ。
「能力」とは人の才能、健康状態、持って生まれた適応性を指し、それはおおよそ先天的に決定される。
「熱意」とは仕事に対する熱意、つまり仕事に対する努力の程度を指し、これは自らが決定できるものである。
「能力」と「熱意」にはそれぞれ最低の0点から最高の100点まで評価を与えることができる。
「考え方」とはどのような心構えで仕事に打ち込み、ひいては人生を送ろうとするのかを指す。
「考え方」には、マイナス100点からプラス100点の範囲で評点を与えることができる。
嫉妬・ねたみ・憎悪などの否定的感情に支配されている人は心構えがマイナスであり、結果その人の人生もマイナスのものとなる。
逆に前向きで素直な考え方をもつ人は、簡単に成功を収め、すばらしい人生を送れるのである。
プラスの「考え方」には以下のようなものが含まれる。
□ 積極的に向上し建設的である
□ 人と一緒に仕事をするのが得意で協調性がある
□ 性格が明るく物事に対して肯定的な態度をとる
□ 善意に満ちあふれている
□ 同情心があり人に親切に接する
□ 誠実で正直
□ 謙虚で慎み深い
□ 勤勉に努力する
□ 勇気があって決断をためらわない
□ 感謝の心がある
□ 足るを知る心がある
□ 利他心がある
□ 自分の欲望を制御することができる
これらそれぞれの項目を自分と照らし合わせて、もし当てはまれば丸をつける。
そしてもし全部が当てはまればその人の「考え方」はプラスの100点に近いものになる。
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
の方程式にしたがって言えば、天賦の素質が並でも必死で努力する人は、天賦の才がすぐれていても努力しようとしない人よりも圧倒的に大きな業績を上げられる。
しかしながら、三者のなかで最も重要なのは「考え方」である。
「考え方」は「人格・理念」とも表現できるもので、能力が高く激しい情熱をもつ人であっても、もしその人が自己中心的で集団や個人に損をさせ自分だけの利益を図るか、その哲学が反動的であったとしたらその人の人生は大きなマイナスとなるし、また他社や社会にも大きな損害を与えることになる。
「考え方」は人生や事業の結果に重要で決定的な作用を及ぼすものである。
正しい「考え方」を持つことの重要性を今一度認識しよう。