2007-08-27
もう少しいいバイトはないかと探したところ、京王線高幡不動駅前にある、すし屋のバイトが見つかった。
時給500円だが、「賄い」つきだった。
夕食として、無料であこがれの江戸前寿司が食べられるのだ。
当時はもちろん寿司など食うお金はなかったので、これはたいへん魅力的だった。
というわけで、高幡寿司でバイトを始めた。
やることは皿洗い程度なのだが、店を閉めたあと、たまにいくら・うになどの高級ネタを食べさせてもらえた時は、とても幸せな思いがした。
普段劣悪な食生活をしていた大学時代の私が江戸前寿司を食べられたのは、唯一この時だけだった。
それから高幡寿司のオーナーは、学生の私に対して、たまに出前用の軽自動車を貸してくれた。
車の免許を取って間もなかった私は、とにかく車を運転したくてしかたがなかったのでこれは嬉しかった。
私が車を借りて田倉荘に乗って帰った時は、田倉荘の貧乏学生達は歓喜した。
この時とばかりに「車で」夜の新宿に繰り出し、セレブ気分で大いに盛り上がったものだ。
「高幡寿司」と大きく書いてある軽自動車ではあったが。