人を治め天に事うるは、嗇に若くは莫し。
(ひとをおさめ、てんにつかうるは、しょくに、しくはなし。)
−−老子 第五十九章
為政者の最高の美徳は、なにごとにもつけ控えめに振舞うことである、という意味。
また、老子はこうも言う。
寵辱驚くが若し。
大患を貴ぶこと身の若し。
(ちょうじょく、おどろくがごとし。たいかんをとおとぶこと、みのごとし)
−−老子 第十三章
立派な人物は、賞賛されるにつけても批判されるにつけても、わが心を戒める、という意味。
つまり老子は、強者がその地位を維持するために必要な心がけとして、「周囲の反感を買わぬよう、常に慎重に振る舞い、決して慢心するな」と指摘しているわけだ。
二千年以上も前から、リーダーがリーダーたり続ける原理原則は変わっていないようだ。