2007-09-26
 大学2年の頃は、いろいろなバイトにチャレンジした。
  
 ある日、結構いいバイトを見つけた。
 掃除のアルバイトで、時給600円ももらえるという。
 話を聞いてみると、工場の掃除だという。
  
 結構、カンタンだな・・・
  
 そう思って早速バイトに行った。
 が、決して甘くはなかった。
  
 連れて行かれたのはNECの工場だった。
 行ってみると、工場の天井についている、やたらと長い蛍光灯とその傘を掃除する仕事だった。
  
 蛍光灯も蛍光灯の傘も、ドロドロに汚れていたが、洗剤を使えば見違えるほどきれいになった。
 それまで暗かった電灯も、洗剤で拭いた後は何倍も明るくなるので結構楽しかった。
  
 だが、ひとつだけ問題点が、それも致命的な問題点があった。
  
 蛍光灯を拭いている間も、電気が通じっぱなしだったのだ。
 根が真面目だから、蛍光灯のソケットまできれいに掃除してしまうのだが、そのたびにビリビリと感電するのだ。
  
 感電する感覚も異様なものだが、それ以上に気になったのは、感電したときに自分の体から焼けたようなにおいがしてくることだった。
  
 それでも次第に感電にも慣れてくるものだ。
 だんだん感電自体が快感に変わっていくのが怖くなって、そのバイトもついに行かなくなった。
 