朝4時に起きてトラックで牛乳配送。
 下宿に帰って少し昼寝して、夕方からはトンカツ屋。
 なんだかんだで寝るのが深夜1時を過ぎたりする。
 でも翌朝はまた4時起床。
  
 普通のバイトならともかく、毎日2トン以上の牛乳を手で荷降ろししてスーパーに配達するバイトだ。
 スーパーの中には、エレベーターが使えないところもあって、階段で重い牛乳を運んで何度も往復することもたびたびあった。
 中でも忘れもしない超重労働といえば、今は無き渋谷駅前、東急文化会館の地下にあった東急ストアへの納品だ。
 特売の日には、なんと牛乳1トン以上を階段を使って運ぶこともあった。
  
 そんな重労働だから、毎日体はくたくただ。
 2便を終えて下宿に帰ると爆睡するしかない。
 毎日毎日重労働を繰り返していると、次第に疲れもたまってくる。
  
 そしてついにトンカツ屋に遅刻してしまった。
 一回は許してくれたトンカツ屋のマスターも、翌日また遅刻するとついには切れてしまった。
  
 「もう明日から来なくていい」
 クビを宣告された。
  
 そして晴れて超ハードな掛け持ちバイトから解放されることになったのだ。
 正直ホッとしたのも事実である。
 