2007-12-06
 バイト代を貯めてやっと買った日産ブルーバードUだったが、運転席のドアが外から開かなくなってしまった。
  
 キーを閉じ込んで開かなくなったドアを無理やりこじ開けたので、「一度閉めると外からは開かないドア」 になってしまったのだ。
 ブルーバードUはハードトップ(2ドア)だったので、残された唯一外から開くドアは助手席側だけだ。
 私はしかたなく、降りる時は運転席側から降り、乗るときは助手席側から乗ることにした。
 少し面倒だが、それしか方法がない。
 しばらくの間はそうしていた。
 でもこんな不便も、慣れてくるとたいした手間でもなくなってくるものだ。
 さて、ある日のこと。
 車を止めようとしたその道はかなり狭かった。
 普通に路上駐車をすると車が通れない。
 私は車が通れるように、ガードレールぎりぎりに駐車した。
 ぎりぎりに駐車するのは結構得意だったので、ガードレールと車体の間は数センチしかないほどうまく駐車できた。
 これで通行の妨げにはならない・・
  
 用事を済ませてその後車に乗り込もうとした。
 そして、私はその時初めて気付いたのだ。
  
 この車、乗れない!
  
 ガードレールぎりぎりに止めすぎて、助手席側のドアが開かないのだ。
 そう、唯一開くドアである助手席側がガードレールに阻まれて開かないのだ。
  
 これにはほとほと困り果てた。
 この車にはもう乗れないのかぁ・・・
  
 そこに放置して帰るわけにもいかないので、私は今度はウインドウのガラスを無理やりこじ開けることにした。
 窓とドアフレームの間の少しのすき間にドライバーを差し込み、ぐりぐり、ぐりぐり・・・
 もう、こうなったらドアもウインドウもどうにでもなれ・・
  
 やっと無理やりウインドウをこじ開けて、私はベリーロール状態(走り高跳びでバーを包み込むように跳ぶ、あの姿で)で窓から車に乗り込んだ。
 