2008-03-18
粗にして野だが卑ではない。
──石田禮助
三井物産を経て78歳にして国鉄総裁となった石田禮助は、自らを「ヤングソルジャー」と呼んだ。
彼は国会での国鉄総裁就任挨拶で「粗にして野だが卑ではないつもりだ。」というこの名文句を残した。
そしてその挨拶の中で、「国鉄がこのような状況なのは、議員のせいでもある」と言ってのけ、国会を騒然とさせた。
また「公職は奉仕すべきもの、したがって総裁報酬は返上する」としてその報酬を拒否したり、国会で「国鉄が今日の様な状態になったのは、諸君(国会議員)たちにも責任がある」と発言し物議を醸した。
さらに「人命を預かる鉄道員と、たばこ巻きの専売が同じ給料なのはおかしい」と発言して当時の専売公社を激怒させたりと数多くのエピソードを持つ。
正しい倫理観を持ち自分を貫く態度は、粗にして野だが、明治の男の品格が感じられて実にすがすがしい。