2008-04-15
深沈厚重(しんちんこうじゅう)なるは、是れ第一等の資質なり。
磊落豪雄(らいらくごうゆう)なるは、是れ第二等の資質なり。
聡明才弁(そうめいさいべん)なるは、是れ第三等の資質なり。
──呂新吾『呻吟語』
中国明代の著名な思想家である呂新吾は、リーダーの資質についてその著書『呻吟語』のなかで、次のように述べている。
「深沈厚重(しんちんこうじゅう)なるは、これ第一等の資質」、つまりリーダーとして一番重要な資質とは、つねに深く物事を考える、重厚な性格を持っていることであり、かつ私利私欲を抑えた公平無私な「人格者」でなければならないという。
さらに呂新吾は、「磊落豪雄(らいらくごうゆう)なるは、これ第二等の資質」、つまり物事にこだわらず、器量があるのはその次に位置される資質であり、最後にくるのが「聡明才弁(そうめいさいべん)」としている。
「聡明才弁(そうめいさいべん)なるは、これ第三等の資質」、つまり、「頭がよくて才能があり、弁舌が立つこと」などは、リーダーに要求される資質の中では一番優先順位の低いものでしかないという。
現代社会の荒廃の原因は、洋の東西を問わず、「第三等の資質」つまり「才覚」だけを持ち合わせた人がリーダーに選ばれていることにあるのだ。
政治に然り、企業に然り。
真のリーダーはどこへ行ってしまったのだろうか。