2008-04-24
【3】 フィロソフィーを共有する (判断基準を共有する)
考え方を共有するために、勉強会や輪読会を行い、みんなが同じ判断基準を持つ。
考え方を知識だけでなく、生活や仕事の中で実践できるまで高めていく。
これを徹底的に繰り返しやっていくのである。
経営とは以上の三つのことを血肉化して、実践の場に落とすことができれば必ずうまくいく。
血肉化するということは、何年も何年も繰り返し、繰り返し徹底してやっていくことである。
京セラはもうすぐ50周年を迎えるが、私自身このようなプリミティブな幼稚なことを愚直に、ずっと同じことをやってきた。
経営をやり続けていくと、難しいことを考えなければならないと勘違いする。
これが間違いのもとである。
経営とは非常にシンプルで単純なものである。
難しいことではない。
難しい理屈を勉強して、自分がわかっていても、他の人には理解させることは難しい。
「満ちれば、欠ける」という言葉があるが、月は満ちれば必ず欠けるものである。
経営も満ちれば、必ずダメになる。
満ちるということは慢心するということである。
慢心せずに謙虚にやり続ければ、経営は必ずうまくいくものなのである。
──稲盛和夫