命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。
此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして國家の大業は成し得られぬなり。
──西郷南洲遺訓 三十条
(訳)
命もいらない、名誉、名声もいらない、官位もいらない、金もいらないというような私心の無い人は、使命感で動くので、どう処置していいかわからないものである。
しかし、このような、私心無く、使命感の強い人と一緒でなければ、国難を一緒になって切り抜けて、国家の重大な事業を成し遂げることはできない。
西郷隆盛が遺した 西郷南洲遺訓 三十条 を経営に当てはめると、次のように解釈できる。
社員の上に立ち人を動かすには、公平無私でなければならない
自分の好みや情実でものごとを判断してはならない。
私利私欲を捨て、集団の利益のためにすべてを脱ぎ捨て、尽くす態度がなければ人はついて来ない。
そのためにリーダーは、自らの行いを日々反省し、利己心を排し、利他の心を磨き続けなければならない。