ある時、西郷隆盛は子供たちに質問した。
「君たち、一家が仲むつまじくするためには、
どういうことをすればいいと思うか」
子供たちは「はい」と手をあげて、
「君(天皇)には忠義を、親には孝行を、
兄弟、友達とは仲良く助け合う」
と西郷が中国の古典などを使いながら教えていたことを、
そのまま答えた。
子供たちの答えに、西郷はこのように返した。
「一家仲むつまじくするための方法を一言で言えば、
それぞれの人が少しずつ欲を減らすことなんだ。 」
放っておくと、欲望は肥大化していく。
欲しいものを手にすると、さらにもっともっと、と欲しくなっていく。
人間の欲は際限がない。
だからこそ、少しずつ欲を減らすことを考えなければならない。
少しずつでも、自分を抑え他人に尽くすことを考えなければならない。
足るを知り、利他の心を持つこと。
人として、それは欠かせてはならないことであり、
経営者としても、然りである。