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 5月26日土曜日に盛和塾東京で経営体験発表会が開催されました。

 特に親しくさせていただいている先輩塾生が発表されるということでしたので、予定を変更して参加させていただきました。
 今回の経営体験発表は株式会社成和の飯田社長と、株式会社B&Pの和田山社長の二名の発表でした。お二人とも徹底してフィロソフィを実践しておられることに大いに刺激を受けました。
 その中でもお二人に共通して言えるのは「値決め」にこだわっていらっしゃる点です。この「値決めへのこだわり」がお二人の経常利益率10%以上という好成績につながっていると言えます。まさに「値決めは経営」のフィロソフィ実践を垣間見ました。
 当社スリーイーグループにおいては、「価格を安くして注文をもらえばいいんだ」という安易な発想が社内にはびこっており、「値決めは経営」どころか「安易な安売り」に堕してしまっているように思います。
 今こそ私たちは飯田社長と和田山社長の「値決めへのこだわり」を学び、私たちの経営に生かしていく必要を感じますので、要点をレポートさせていただきます。

 

 ■株式会社成和 飯田社長 「値決めが命である」

 飯田社長のお話の中では、特に「値決めが命である」という言葉に感銘を受けました。
 株式会社成和さんは、内装工事を主な仕事とされています。当社のオフィス家具事業に通じるところもありますが、内装業は大変厳しい業界です。
 バブル崩壊後、建設工事の市場規模が縮小し、最近では公共工事の一般競争入札化により、ゼネコンや下請け建設会社は業績が悪化の一途をたどっております。
 内装業はその下請けにあたる仕事ですので、当然元請けからの要求も厳しくなり、価格競争が激烈となります。私の知り合いの内装業者さんも数年前に倒産しました。そのくらい厳しい業界です。
 そのような中で成和さんは近年経常利益率が10%を超えております。その秘訣はどこにあるのでしょうか?

 成和さんは、内装工事をする上で、お客様に「ありがとう」と言っていただける仕事を目指しておられます。「あなたに頼んでよかったよ!」と言ってもらえる仕事。「お客様に喜んでもらえなければ仕事ではない」とまで言い切っておられました。
 お客様の要望には徹底的に応えること。お客様の要望以上の価値を創造すること。お客様に言われた仕事をただこなすのではなく、価値ある仕事を自分たちの手で創っていくこと。
 それは価格競争の否定でもあります。成和さんは、以前は売上至上主義でどんどん人員を増やし、何度もかんでも受注する方針であったことから、経営がとても厳しい状況になったことがありました。
 飯田社長はその二の舞は二度とすまい、との決意から、今では下請け体質から脱却し、元請け仕事を増やした上で「値決めの熟考」を実践しておられます。
 内装工事は、仮に粗利率20%と思って見積もったとしても、結果的にはかなりブレが生じます。工事がうまく進めば粗利率が22%にもなるし、工事にミスがあればやり直しとなり、粗利率が10%に落ち込むこともあります。成和さんでは、その各工事で生じた現象に対して「何がどうだったのか」を徹底して追求するのです。
 工事前の予算組み、途中経過、工事完了後の結果に対する検証。それらを反省し、対策する。この検証作業を本気で徹底的にやることにより、トップの意志が末端にまで伝わって「値決めの熟考」につながるのだとおっしゃっていました。

 成和さんはお客様の要望に徹底的に応えていきます。また、造ってくれと言われたものをただ造るのではなく、今の自分たちにはできないレベル、お客様の創造をはるかに超えた空間を創ることを目指しておられます。
 それは変わった仕事、職人泣かせの仕事をやるということにもなります。設計・デザインから入り、他の内装業者にはできない、人が嫌がる仕事をやるということです。糊付けひとつにしてもこだわる。こういう仕事が生き残れるのだとおっしゃっていました。
 そして、内装業で東京で一番の会社を目指しているとのことでした。東京で一番の価値。東京で一番のクオリティ。特に「青山、六本木、麻布周辺でお店を構えるなら、内装は成和だ」と言われるようにしていきたいと言っておられました。

  「値決めが命である」この飯田社長の言葉が印象的でした。価格競争に入って行かない。お客様の期待を超えたものをつくり、お客様に徹底的に満足していただく。無理に営業活動するのではなく、「成和に頼みたい」と言ってくださるお客様をつくり、そのお客様から仕事をいただく。そして素晴らしい仕事を提供する。
 そうしたことがむやみな価格競争ではない、「値決めが命である」につながるのだと思いました。

 ■株式会社B&P 和田山社長
 「値段の話にならないような仕事をする」

 株式会社B&Pさんは、大型のインクジェットプリンターを使用してサイン・ディスプレイの絵柄を印刷したり、サイン・ディスプレイそのものをつくっている会社です。一言で言えば広告制作業です。 日本経済の低迷、長引く不況により、こうした広告制作業は一般的にはかなりの不況業種です。当然、価格競争も激烈なはずです。しかしそのような厳しい業界で、株式会社B&Pさんは経常利益率10%以上を数年に渡って続けておられます。その秘訣はどこにあるのでしょうか?

 和田山社長がおっしゃる好業績のポイントはいくつかありましたが、まとめると次の5つだと思います。
 ①広げない(勝てるところでやる)
 ②人数分の仕事だけをとる
 ③短納期の仕事をする(お客様の思い通りの仕事をする)
 ④他社の倍働く
 ⑤利益率の悪いお客様は値上げをお願いする

 ①広げない(勝てるところでやる)
 B&Pさんの営業担当者は、地域を狭く限定して営業活動を行います。半径2キロ以内を徹底して営業活動するのです。
 もし担当外の地域から仕事の依頼が来たときは、その地域担当者に仕事を譲ります。これを徹底して行います。
 例えば、自分の担当地域内なら半日で30件飛込み営業ができます。
しかし例えば電車で30分かかるところに仕事に行くと、半日で1件しか営業活動ができません。
 「広げない」「勝てるところで勝負する」。これが高利益率の第一のポイントです。

 ②人数分の仕事だけをとる
 例えば制作担当が3人いれば、4人分の仕事しかとらないとのことでした。5人分の仕事ならばお断りするのです。無理して多くの仕事をとろうとするから安い仕事になる。
 「無理して仕事をとらない」。これが価格維持の決め手の一つなのだと思いました。

 ③短納期の仕事をする(お客様の思い通りの仕事をする)
 ある広告代理店がお客様だとします。広告代理店の営業マンは夕方まで営業活動に回っています。その営業マンは帰社してから、この部分はA社に、この部分はB社に、そしてサイン・ディスプレイはB&Pにと、夕方以降に手配を始めます。
 そうすると、かなり無茶な依頼が出てきます。20時に電話がかかってきて、あすの朝までにやってくれ、などという短納期の仕事がたくさん出てきます。
 お客様の広告代理店も大変忙しいわけです。そうしたお客様の思い通りの仕事をするということが価格維持の秘訣だとのことでした。
 つまり、夜中に依頼が来ても翌朝までに仕上げるような、短納期の仕事をするのです。
 これを積み重ねていくと、もうお客様から値段のことは言われなくなります。「B&Pは自分たちの言うとおりの仕事をしてくれる」と絶大なる信頼が勝ち取れるのです。

 ④他社の倍働く B&Pさんは他社の倍働きます。夜10時になっても帰る人はいません。その分皆収入も結構高いのです。従業員の皆さんも「他社の倍働く」意識でいらっしゃるわけです。

 ⑤利益率の悪いお客様は値上げをお願いする
 サイン・ディスプレイの制作原価は、明確に算出できます。ですからB&Pさんはお客様ごと、担当者ごとの利益率を細かく集計し、分析しておられます。
 その上で、B&Pさんでは長期間利益率の悪いお客様には値上げをお願いしておられます。これによって、高い利益率が保たれるのです。

 以上の5点が、B&Pさんが高い利益率を維持するポイントだと感じました。
 つまり、B&Pさんは他社にできない仕事をしているわけです。広告業界という厳しい業界において、経常利益率10%以上というのは驚異的数値です。
 皆が価値ある仕事をする。他社がやらない短納期の仕事を受ける。つまり「値段の話にならないような仕事をする」のです。
 プライドある職場で、プライドのある仕事をする。値段の話にならないような仕事をする。そうした積み重ねによって、B&Pさんはこのような高い利益率が保てているというわけです。

 ■まとめ
 成和さんとB&Pさんのお話で共通しているのは「価格競争に入って行かない」ということです。
 ポイントは2つだと思います。それは(1)価値のある仕事を受けること、(2)利益の少ない仕事をお断りするということです。

 (1)価値のある仕事を受ける
 価格の話にならないような、価値のある仕事を受ける。自社の提供する価値をお客様に十分理解いただき、価値を理解いただいたお客様からだけ注文をいただくのです。
 (2)利益の少ない仕事をお断りする
 そしてもうひとつは、利益の少ない仕事をお断りするということです。
 成和さんは、利益率の低い下請け仕事から元請け仕事にシフトされています。B&Pさんは、利益率の低いお客様に値上げをお願いしています。つまり、利益率が低ければ仕事をお断りするということなのです。

 「値決めは経営」。経営の原点12ヶ条にもある大切なフィロソフィですが、私たちスリーイーグループではこの2点ができていなかったと思います。

 「値決めは命」です。「値決めは経営」です。今後、この学びを生かして経営を改善してまいりたいと思います。

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