・青天の霹靂、エプソンから訴えられる
マーケットにインクカートリッジをリサイクルする道を切り拓き、エコリカはどんどん普及していきました。
しかし、好事魔多し。エコリカは8年前のある日、突如エプソンから特許侵害だと訴えられたのです。
そもそもインクカートリッジのリサイクルとは、使用済インクカートリッジを磨いてきれいにし、インクを詰めなおし、フタをして販売するだけの商品です。特許侵害しているはずがありません。
が、これがプリンターメーカーなのです。自分たちの莫大な利益を守るために、ありとあらゆる手を使って、非純正品を排除してくるのです。
・3年にも及ぶ法廷闘争
エプソンとの訴訟は3年にも及びました。
日本では、一旦訴えられると犯罪者扱いされてしまいます。もし敗訴したら莫大な賠償金になるということで、社会的信用も地に堕ちます。
しかし、私たちには信念がありました。
「ここでくじけてはならない」
「オレたちがやらなきゃ誰がやる!」
「オレたちがいなけりゃこの世は闇だ!」
「リサイクルの灯を消してはならない!」
・勝訴へ
それは苦難の道でした。茨の道でした。しかし、エコリカはまず東京地裁で勝訴。そして第2審の知財高裁でも勝訴。そして訴訟の提起から3年、ついに最高裁でも勝訴したのです。
勝訴の勝ち名乗りを受けた時、もう競争相手はいなくなっていました。最初はリサイクルインクの同業他社も数社あったのですが、エコリカがエプソンから訴えられて苦しん
でいるのを見て、そのほとんどがインクカートリッジのリサイクル事業から撤退していたのです。
そして、エコリカの時代がやってきました。
それ以来、エコリカは約10%という驚異的なマーケットシェアを持ち、もちろん互換インクではナンバーワン。そして、インクカートリッジ全体でもキヤノン、エプソンに次ぐ第3位の位置を保ちつづけているのです。
(つづく)