4月22日(日曜)、盛和塾横浜・盛和塾東京合同特別勉強会として、株式会社ボルトン代表取締役藤川孝さんの経営体験発表会が開催されました。
藤川さんは、昨年度稲盛経営者賞(製造業第4グループ3位)を受賞され、経営実績を盛和塾の稲盛塾長にも認められた方です。また藤川さんには私がリーダーを務める盛和塾東京「経営の原点12ヶ条勉強会」の世話人も務めていただいております。
今回の藤川さんの経営体験発表とその後の質疑応答では、3つの学びがありました。それは(1)従業員と感動を共有する経営、(2)お客様のお役に立つ経営、(3)自社の強みを深掘りする経営です。
(1)従業員と感動を共有する経営
藤川さんの事業は、スポーツウェアの製造とフィットネスクラブ経営の2つがありますが、特にフィットネスクラブの経営において、従業員の方々との感動共有が素晴らしいと感じました。
藤川さんは、事業を通じて社会貢献すること、そして従業員の幸せをつくり、従業員と感動を共有することを理念としておられます。
経営理念は「スポーツ事業を通じ、スポーツと健康への貢献と共に、全従業員の物心両面の幸福を追求します」です。
藤川さんが経営するフィットネスクラブは、すべてのスタッフが正社員です。一般的にフィットネスクラブはアルバイトを中心に運営をするのが普通ですが、藤川さんの会社はここが違います。
そして、募集時は「お客様に喜んでもらうことが好きな人」とうたって人材を募集しています。
スタッフの方々は、お客様から「なぜかここに来ると元気になります」「健康診断で数値が正常になりました」という声をいただくことを喜びにして働いています。
スタッフの方々は、全部のメンバー(会員)の名前を覚えています。メンバーそれぞれがどんなことを最終的に希望しているか(エックスファクター)を理解し、来店していただき、成果を出すことを目的に働いています。
「メンバーさんの喜ぶ顔が見たい」「メンバーさんのお役に立ちたい」「メンバーさんの願いを叶えてあげることが仕事です」「幸せな人生の一助になるために私たちは働きます」
スタッフの皆さんは、そんな熱い思いで働いていらっしゃいます。
「メンバーさんに来店していただき、成果を出します」「来ていただくために電話をします。手紙を出します」「喜んでいただくために、成果を見つけていっしょに喜びます」
そのような気持ちで働いていらっしゃいます。
藤川さんのフィットネスクラブでは、日々ドラマのようなことが起こります。メンバーさんにスタッフがハグされることもあります。(女性専用のフィットネスクラブですからハグは問題ありません)
「あなたのお陰で数値がよくなった」「あなたのお陰で痛みがなくなった」「夫婦喧嘩をして気分が悪かったが、店に近づくにつれ気持ちが安らぎ笑顔になった」
そうしたお客様の喜びの声が日々スタッフの日報に綴られます。こうした日報を読むのが藤川さんの何よりも楽しみだそうです。
「お客様の喜び」=「自分の喜び」
それがすべてなのでしょう。自分のエゴではなく、利己心ではなく、真にお客様のことを考えて働いていけば、それは働く喜びになり、イキイキとした働き方につながるのだと思いました。
藤川さんの会社では、他にに従業員と感動を共有する方法として、毎週月曜夜に従業員といっしょにジョキングをすること、駅伝やトライアスロン大会に参加すること、ハイキングや掃除を共に行うなどを会社行事として実行されています。
そして経営理念を共有し、仲間意識を培うことを実践されています。
こうした会社行事を嫌う従業員の方はひとりもいません。なぜなら、こうした会社行事があることを了解の上、皆さん入社されるからだそうです。
(つづく)