商取引においては、売り手が儲かるだけではいけない。
買い手であるお客様にも利益がある、お客様が助かる、満足する取引でなければならない。
またその商売は、社会に貢献し、社会全体を幸福にするものでなければならない。
昨今、企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)が叫ばれている。
コンプライアンス(法令遵守)、内部統制などというと、とても高度で難しいものに思える。
難しいものだ、面倒なものだと一度思ってしまうと、逆に形だけの対応、つまり、ごまかし、まやかしのCSRになってしまいがちである。
一連の有名企業の不祥事を耳にすると、まさに形だけのCSR、表面的なごまかしに終始しているように思われる。
だが、元を正せばことは単純である。
企業は 「人間として正しいことをする」 べきなのだ。
日本には、古来から大切にしてきた道徳というものがある。
その道徳を基準にして、人として正しい選択を行えば、決して間違いは起こらない。
経営者の利益や自社の利益のみを考えず、広く人類と社会に貢献する気持ち、つまり利他の精神が必要なのだ。
そのためには企業は経営理念・経営哲学を確立なければならない。
そして、全従業員がその理念を共有し、同じ判断基準で仕事を行えば、世間を騒がすようなことは決して起こらないのだ。